子供の頃から飛行機が好きだ。乗るのも見るのも大好きで、世界中どこへでも行くことができる、正に夢の乗り物だと思っている。
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空の上から見る北海道は案外小さくて、車なら何時間もかかるであろう道のりが一枚の写真に収まってしまった。むかし、空路で道東を訪れた時の飛行時間はたしか40〜50分くらいで、あっけないほどすぐに着いてしまった記憶がある。
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The real world is much smaller than the imaginary :本当の世界は想像よりもはるかに小さい
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ニーチェが込めた本来の意味はひとまず置いといて、すぐに答えや結果を求めがちな「今」という時代、僕らがこの言葉から教わることはもしかすると「想像すること」の素敵さじゃないかと思う。
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隣近所の平和な日常も地球の裏側で起こる悲劇も、全部がREAL WORLDだ。飛行機の窓から小さな北海道を眺めながら、ふと、そんなことを考えていた。
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銃声が響く遠い国の、穏やかで美しい朝焼けのこと。一見平和な住宅街で密かに繰り広げられる、嫁姑の仁義なき戦い。MacやiPhoneのない暮らしはもう考えられないけれど、たとえどんなに便利になってもGoogle先生が教えてくれることなんてこの世界のほんの一部分に過ぎない。そう考えると正直もう smaller でも bigger でもどっちでもいいや、ってことになって更にややこしかったりする。
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世界はまだまだ僕らが知らないことで溢れている。だからもっともっと知りたくなるし、持っていないからこそ欲しくなるのが人の好奇心だ。それならば、いっそのことイマジネーションを目一杯ふくらませて色んなことを想像してみるといい。そうすればきっと毎日が今より少しだけ楽しくなると思う。「空気を読む」とか「中二病」なんて言葉に振り回されてる場合じゃない。理想と現実を切り離した途端に人生はつまらなくなるのだから。
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世界は思っているよりもうんと小さく、そして大きい。
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そんな取り留めのない思いを巡らせながら、みなさま寒中お見舞い申し上げます。
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Daisuke Takada